業務関連の契約書における齟齬と正しい契約書の作成方法

カテゴリ:契約書

業務関連の契約書における齟齬と正しい契約書の作成方法

仕事をするうえで、様々な取引相手と契約を結ぶことがあります。契約書当事者同士の認識の違いにより、齟齬が生じることもあるでしょう。齟齬が生じた場合はどうなるのか、齟齬がないように契約書に記載しなければならない事項について解説します。

 

契約書の齟齬はどんな意味?

齟齬は、普段の日常生活ではあまり聞かない難しい言葉の1つです。こらから齟齬の意味も使い方を説明します。

 

意見が異なって意図通りに進まないこと

齟齬とは、何かに対して意見や認識の食い違いが起こり、トラブルの原因になることをいいます。似た言葉では、食い違いやおかしな点、不一致などがあります。ビジネスなどの業務において、食い違いが起きた場合に、「齟齬」という言葉が使われることが多いです。例えば、あらかじめお互いが決めていた意見に対し、後で食い違いが起きた場合に、「齟齬が生まれた」や「齟齬がある」と表現します。

 

契約書内容おいて齟齬があった場合

契約書の齟齬があった場合はどうすれば良いのかを説明します。

 

国際取引の場合は日本語版を優先する

業務においては、基本方針を確認するためにも、基本契約書を作成することが多いでしょう。それと合わせて個別契約において個別契約書を作成することもあります。契約書が2つある場合は齟齬が生じることも多いはずです。特に、国際取引の場合は言語の違いなどでも齟齬が生じるでしょう。齟齬が生じた場合は、日本語版を優先することができます。

 

優先する場合は記載が必要

日本語版を優先したい場合には、あらかじめ「契約内容に齟齬が生じた場合には、日本文の契約書を優先し、解釈される法は日本国内で適用される法律とする」といった記載をする必要があります。契約を結ぶ時点で記載されていない場合は日本語版を優先することはできないので注意が必要です。もし、齟齬が生じてトラブルが起きた場合には損害賠償の請求ができますが、損害賠償についてもあらかじめ契約書に記載されているので、それに沿って請求することが可能になります。これが日本語版ではなくて海外版になると、もしかしたら齟齬が生じることで内容も少し変わっているかもしれません。そのため、損害賠償を多く払わなければならない、又は少ない損害賠償で済まされるなどの問題も想定できるので、注意が必要です。

 

齟齬がないように心がけること

先ほども説明しましたが、齟齬が生じることでトラブルがあった際に損害賠償が多く払わされることや、きちんと責務が履行されないなどの問題が起こる可能性があります。そのため、契約書を作成する時点で、齟齬がないように物事を決める必要があります。これから、齟齬が生じないように契約書に必ず明確にしなければならない事項を4つ紹介します。

 

目的物を明確にする

まずは目的物の明確な記載です。業務委託契約ならば、何を作るための業務なのか、お互いが完成品を理解していなくてはなりません。お互いの中の完成が違うと齟齬が生じやすくトラブルに繋がります。また、どちらが受託側でどちらが委託側なのかも明確に記載しておきましょう。また、業務をする目的物は必ず完成しなければならないのかも記載するようにしましょう。

 

業務の内容や範囲を確定する

2つ目は、業務の内容と範囲を明確に確定することです。契約書を作成する時点で、業務の内容が記載されていないことは殆どありませんが、抽象的な表現により明確でないことはあります。例えば、ソフトの開発と記載されている場合は、ソフトの設計を行うのか、プログラミングをするのか、テストをするのかなど、ソフトの開発においても様々な業務があります。どんな業務なのか、どこまで行うのかを詳しく明確に記載することで齟齬が生じにくいです。

 

報酬の支払い時期を明確にする

業務をする上で、受託側は報酬を得ます。報酬は支払いの時期が設定されていないと、いつ渡しても良いことになるので、支払いの時期を明確に記載する必要があります。完成品が納品されてから2週間以内など、期限があることで報酬の先延ばしがされません。また、委託側も報酬を支払う上で、条件を明確に記載すると良いです。例えば、納品の受け渡しがされた後に支払うのか、納品の受け渡しが終わってから修正依頼がある場合はそれに応じ、完成されてから支払うのかなど、仕事の条件を記載することで齟齬が生じにくいです。

 

民法を参考にする

契約書を作成する上では民法を参考にすると良いです。民法632条では請負について記載されており、民法633条では報酬の支払い時期、民法656条では準委任について記載されています。民法に基づいて契約書を作成することで、トラブルが生じにくいのでおすすめです。

 

民法632条:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#2698

民法633条:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#2701

民法656条:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#2792

 

齟齬がないような契約書が重要である

契約書において齟齬が生じると、業務が完成されなかったり、報酬が支払われなかったりするなどの問題が生じます。そのため、齟齬がないような契約書の作成が必要です。特に、国際関係の取引では、言語や文化の違いもあるので、重要な情報は分かりやすく明確に記載する必要があるでしょう。今回は、契約書に齟齬が生じる場合について説明しましたが、契約書を作成する際には齟齬が生じないような内容を心がけましょう。

カテゴリー

  • 電子契約書

  • 契約書

  • 契約

  • 収入印紙

  • クラウド

  • PAGE TOP

    「契約書」関連記事一覧