電子契約書が満たす実務の要件|民事訴訟と税務調査で満たす理由

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電子契約書が満たす実務の要件|民事訴訟と税務調査で満たす理由

電子契約書を導入するにあたり、気になるのは「実際に使えるのか」という実務の要件を満たしているかどうかです。また契約書は実務の他、万が一の民事訴訟や税務調査の際にも用いられることもあり、それらにも対応できなくてはなりません。

ここでは、電子契約書が民事訴訟と税務調査で用いられるために備えている要件について解説します。

 

民事訴訟法で証拠として認められる電子契約

契約書は、民事訴訟では取引の証拠書類として用いられることがあります。電子契約書がその要件を満たしているかどうか、まずは契約書の役割から見てみましょう。

 

契約の事実を証明する

民事訴訟で焦点になるのは、主に対象となった取引が正当に締結・完了されたかどうかです。契約書には、取引に関する内容の期日・様式などが明記されており、その取引が正式に締結されているか、取引と実際との解離はないかの証拠として用いられます。

 

契約書に求められる要件

民事訴訟上、証拠としての契約書には、主に次の4つの要件が求められます。

 

1) 契約日や効力発生日

2) 契約当事者

3) 契約内容

4) これらが契約日以降改ざんされていないこと

 

書面の契約書の場合、手書き・印刷のいずれかで明記されており、紙面が複数にまたがる場合は契印を押し、契約当事者全員が住所・企業名や屋号・代表者名と実印で了承したことを示します。

しかし、電子契約書を導入すると、手書き署名や押印はありません。それでも、IT技術を用いてこれらすべての要件を満たします。この技術は法的に4つの法律で認められています。

 

電子契約を支える4つの法律

電子契約は、次の4つの法律で支えられ、その信頼性が認められています。その代表的なものが電子署名法です。

 

【電子署名法】 電子署名を定義し、効果・認証を行う事業を規律する法律。契約書が真正に成立したものであることを証明する。

 

この他、電子契約は次の3つの法律でその取り扱いが定められています。

 

【電子帳簿保存法】 従来紙でしか保存を認められていなかった帳簿書類を、電子データ形式でも認める法律。ただし、電子データでの保存が認められていない帳簿書類もある。

 

【IT書面一括法】 従来書面で交付することを義務づけていた法律を改正し、電子メールなどの電子的手段で代替することを認める法律。

 

【 e-文書法】 民間事業の帳簿書類を電子データで保存することを認める法律。電子帳簿保存法が認めるのは「国税に関する法令」であることに対し、e-文書法は帳簿書類に関するさまざまな法令に対して一括して電子データの保存を認める。

 

また、電子契約は紙文書のように収入印紙を貼る必要がありません。その点でいえば、印紙税法も関係する法律だといえます。

 

税務調査では保存要件を満たしている

民事訴訟とは違い、税務調査では契約書の保存要件が焦点となります。間違いなく保存していること、税務調査に対応できるよう検索できることが求められます。

 

書類は税務上7年間の保管義務がある

法人税法や所得税法などの税法は、契約書を7年間保存することと定めています。3〜5年に一度のペースで税務署の調査官が企業を訪れ、帳簿に目を通しながら関係する書類の開示を指示する「税務調査」では、契約書・注文書・領収書などの書類がすべて整理された状態で保管されているのがベストです。

 

税務調査で必要な保存要件

税務調査で求められる電子契約における帳簿書類の保存要件は次の通りです。

 

・保存対象:関係書類が間違いなく納税地に保存されている

・保存場所:紙文書とは違い保管しているデータセンター所在地でよい(ただし、納税地または事業所所在地にアクセスできる機器があることが条件)

・保存期間:それぞれの税法に定められた期間で、法人税法では7年

・真実性要件:電子署名及びタイムスタンプ、または正当な理由のない訂正及び削除の防止に関する事務処理規定の制定及び当該規定に沿った運用であること

・検索要件:文書名称・金額・日付・相手先などによる検索、アンド検索、範囲検索ができること

 

電子署名が契約の本人性を証明する

電子契約では、自社を含む契約当事者の本人性確認は電子署名で行われます。このほか、署名時点から電子文書が改ざんされていないことも証明できますが、これにはタイムスタンプを併用します。

 

契約時間はタイムスタンプでわかる

電子機器は、端末ごとに時刻や日付を設定できます。その日時は改ざんされる恐れがあるので電子契約では使用せず、タイムスタンプを付与します。

タイムスタンプは、その時刻にその文書が存在していたことと、その時刻以降その文書が改ざんされていないことを証明します。

 

電子契約書では認められない場合もある

ただ、すべての契約書の電子データ化が認められているわけではありません。たとえば次の書類は、書面での契約・保存が義務付けられています。

 

・定期借地契約

・定期建物賃貸借契約 など

 

電子契約を導入する際は、このような文書がないかどうかあらかじめ確認しましょう。

 

電子契約は幅広く要件が認められている

契約書は帳簿書類の中でもとくに重要な書類です。実務では用が足りるだけでよいでしょうが、問題は民事訴訟や税務調査に耐えられるかどうかです。

それぞれ求められる要件は、民事訴訟では真正性、税務調査ではさらに保存要件と検索性です。また、中には電子データとして保管することが認められていないものもあります。電子契約を導入するには、これらの要件にも充分注意する必要があります。

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