契約書の合意管轄の概要と記載がない場合の対応方法を解説

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契約書の合意管轄の概要と記載がない場合の対応方法を解説

契約書においては、合意管轄について記載されることは一般的です。そもそも合意管轄とは何なのでしょうか?ここでは、合意管轄の詳しい概要と、もし記載がない場合はどうなるのかを紹介します。

 

契約書の合意管轄の概要

合意管轄とはどのような意味か、ご存知でしょうか?ここから詳しく紹介していきます。

契約書の合意管轄の意味

契約書の合意管轄とは、万が一契約上のトラブルが発生したときに、双方合意の上定められた提訴する裁判所のことをいいます。契約時に訴訟をする裁判所を決めておかないと、いざトラブルが起こってしまったときに、双方の見解にくい違いが発生してしまうかもしれません。そのような混乱を防ぐためにも、きちんと定めておく必要があります。

それでは、契約書において、どのように合意管轄を定めれば良いのでしょう?これから詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

 

契約書の合意管轄の定め方

契約書の合意管轄は、一定の条件の下、双方の合意により定められます。また、民事訴訟法第11条に基づき、管轄裁判所以外の裁判所でも訴訟を起こすことが可能です。

 

参考URL:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=408AC0000000109#97

合意管轄についてより正しく理解することで、より優位に契約をすすめることができるでしょう。

 

契約書には合意管轄条項が必要?

契約書の中に合意管轄条項を定めておけば、万が一裁判になってしまった場合にも迅速に対応することができます。ここからは、パターンや注意点など、さらに詳しく解説していきます。

 

合意管轄条項のパターン

こちらには、大きく分けて2つのパターンがあります。

・所在地の裁判所を定める場合

・簡易裁判所を含む場合(少額の訴訟などにも対応するため)

適切に定めておくことで、双方の所在地が離れている場合でも、裁判で発生するコストや労力をできる限り抑えることができます。例文は各種関連サイトに掲載されていますので、参考にしてみてください。

また、電子契約システムであれば、これらの条項も網羅されていますので、安心ですね。煩雑な契約書の内容も、しっかりサポートしてもらえるでしょう。

 

合意管轄条項で注意すべき点は?

次は、注意しなければならないポイントの確認です。

相手方から合意管轄と異なる裁判所に提訴されてしまった場合には、その旨をきちんと裁判所に申し出る必要があります。なぜならば、裁判所は合意管轄が定められていること自体を把握していないからです。定められた裁判所と異なることが認められれば、その裁判の内容は合意管轄に移されることになります。

そのことをせずに直接相手方の提訴内容に反論してしまうのはNGです。そのことで、相手が訴えを起こした裁判所に管轄が発生してしまうからです。これでは、せっかく裁判所を定めた意味が無くなってしまいますので、十分な注意が必要です。

 

■専属的合意管轄と付加的合意管轄

各種例文にもありますが、契約書には「専属的合意管轄」であることを明記する必要があります。それはつまり、その裁判所でしか裁判ができないことを意味しています。一方で「付加的合意管轄」は、定められた裁判所の他に、民事訴訟法に基づいて決められる裁判所への訴えが可能です。つまり、想定外の裁判所に提訴される可能性が生じてしまうのです。裁判はコストも労力もかかってしまうものです。できるだけ避けたいことではありますが、契約書には専属的合意管轄であることをしっかり記載して、万が一に備えたいものですね。

 

契約書に合意管轄記載なしの場合は?

契約書に合意管轄の記載は必要と述べましたが、記載がなしの場合もあります。このような場合はどうすればよいのでしょう?

 

被告の住所地の裁判所で行う

合意管轄裁判所の記載がない場合は、被告の所在地を管轄する裁判所で裁判が行われます。法人の場合は契約に関係する本支店所在地や営業所の所在地になります。個人の場合は住所地や個人事業主の所在地です。

これには例外があり、訴訟内容が特許権や意匠権などの知的財産権の場合、東京地裁や大阪地裁のどちらかのみとなります。

 

日本国外の場合はどうなる?

合意管轄裁判所の記載がなく、契約当事者が国内外に住んでいる場合はどうなるのでしょう。

この場合、当事者の一方が訴えた国の裁判所が一審を管轄することになります。日本の場合は日本の法律に従い、海外の場合はその国の法律に従います。

 

契約書において合意管轄は重要

契約書の合意管轄は契約当事者が決めた裁判所に置いて訴訟が行えます。しかし、内容的に定められた裁判所での裁判が難しい場合は、変更しなければならない可能性もあります。

また、合意管轄の記載がない場合は被告者の所在地にある裁判所になり、海外に住んでいる場合は訴えた側の裁判所になります。そのため、契約書の合意管轄条項は非常に重要といえるでしょう。

複雑な内容が心配であれば、やはり電子契約システムの導入も検討の余地があるかもしれませんね。

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