私たちは、ビジネスや日常生活において、実にさまざまなシチュエーションで契約書を交わしています。業務委託や賃貸借契約書、リース契約書など数多く存在しています。契約書の形態に目を向けてみると、1枚の契約書もあれば、複数枚でホッチキス止めされもの、製本されたものまでタイプはさまざまです。そもそも、なぜ契約書を製本をする必要があるのでしょうか。契約書を製本する意味や正しいとじ方を解説します。
目次
正式な契約書の製本方法を徹底解説!
複数ページに渡る契約書の場合はを製本するのが一般的です。材料は紙で作成したり、製本テープを使用して製本をしたりします。ここでは、製本する方法と契約書に必要な押印に関して紹介します。
なぜ製本が必要?その目的を紹介
契約書が複数ページに渡る場合は、一般的に製本することが多いでしょう。しかし、法的に製本が義務付けられているわけではありません。見た目のきれいさや、押印する箇所が少なくて済むという理由で製本されることが一般的です。
例えば、2枚以上ある契約書の連続性や非改ざん性を証明するために、ページの真ん中辺りに押印するのを契印と言います。つまり、契約書の枚数が多ければ多く契印が必要になるのです。しかし、製本をすれば境目に契印すればいいので押印の手間が軽減されます。
一般的には袋とじにし、製本テープを使用して製本
契約書を製本する方法は、細かい部分を除けば主な手順は1つしかありません。ただ製本に使用する材料に紙と製本テープのどちらを利用するかの違いになりまります。それでは手順を紹介しましょう。
①契約書を端から5mm程度の部分でホッチキス留めをします。2か所程度でいいですが、厚みがある場合は3か所がおすすめです。
②契約書の厚みを測ります。ただし、数枚しかない場合は測る必要はありません。
③製本する紙かテープを用意します。その際に、(契約書の厚さ×2倍)+契約書の縦の長さ=合計の長さにカットします。
④製本する材料が準備できたら、1/3の幅に契約書の表の部分を貼り付けます。この際に
30cm物差しでガイドしながら貼るときれいに貼ることができます。
⑤裏を向けて、製本の両端の余剰部分の真ん中辺りに切り込みをいれ、契約書を包み込むように貼ります。
⑥両端の処理が終了したら裏の部分を貼り付けます。
⑦しわを伸ばして完成です。
契約書に必要な押印の種類ときれいに押すコツは?
前述のような手順で製本された契約書には、主に2種類の押印をします。それらの押印は目的が違っています。
改ざんを防止するのに役立つ契印と割印の違い
そもそも契約書に押印をする目的は、改ざん防止を証明することです。押印には二種類あり、1つ目は、ページの連続性の証明、ページの抜き取りや追加がないことを証明する目的である契印です。2つ目は、契約書が複数部存在する場合、正と副が同じであること、複製を防ぐことが目的である割印です。契印と割印は大変似ていますが、実は目的が異なりますので注意して押印するようにしましょう。
押印の正しい位置やきれいに押すための工夫を紹介
それでは、きれいに押印するにはどのような工夫が必要でしょうか。複数ページあり、ホッチキス止めした契約書の契印は、見開いたページのちょうど真ん中辺りに押印をします。製本を施した契約書の場合は、表と裏の製本した部分にかかるようにそれぞれ契印をします。
契約書が2部以上ある場合の割印は、全ての契約書に印影が残るように押印します。
紙の厚みに段差があると印影がかすれやすいので、紙を入れて高さを同じにし、捺印マットを使用して押印するときれいに仕上がるでしょう。
契約書の製本をする場合によくある疑問を解説
契約書の製本をする際に、よく疑問にあがる内容について解説します。
甲乙どちらが契約書を用意するのか?
契約書の中で最初に目にする「甲乙」ですが、一般的にはどちらが契約書の製本をするのが正しいのでしょうか。甲がお客様にあたる方になる場合が多いので、乙が製本をする場合が多いでしょう。不動産業界の場合は、甲乙が逆になりますので、甲が製本する場合が多いと言えます。特にルールが決められているという訳ではありませんので、分からない場合は質問すると良いでしょう。
両面印刷された契約書は通用する?
契約書が両面に印刷をされているものはあまり見かけませんが、ルール的には問題ありません。両面に印刷することで、製本をしなくてもよくなり、押印する箇所も少なくなるので両面印刷されているケースもあります。
正しい契約書の製本のやり方を習得しよう
契約書の製本は面倒だなと思われる場合も多いかもしれませんが、やり方さえ覚えておくと特に難しい作業ではありません。何より、契約書の内容が改ざんされたり、抜き取られたり、複製されないためにも、しっかりと正しく製本し、正しく押印することは欠かせません。
また、契約書を電子契約書に移行すれば製本を始め、さまざまな作業の手間を軽減し、業務効率化を実現できます。電子署名をつけることでよりセキュリティー性もアップするのでおすすめです。