契約書は1人で契約を結ぶことが多いですが、場合によっては連名契約をすることがあります。連名契約はメリットもありますが、もちろんデメリットもあります。今回は連名契約の書き方や注意点、利点と懸念点を紹介します。
目次
契約書の連名はどこで使用する?
連名契約はどこで使うのかが気になりますよね。契約書において連名契約をする機会は少ないですが、下記のような場合は連名契約ができます。
数名で部屋を借りるとき
友達とのルームシェアや恋人との同棲など、数人で部屋を借りるときに連名契約を行います。基本的に賃貸の契約は1人で行うのが主流ですが、契約者の年齢が低かったり、年収が低い場合には連名契約がおすすめです。連名契約を行うことで、賃貸の支払いを数名で行えるので、1人ひとりの年収が低くても審査に通りやすくなります。また、1人で契約をしていた賃貸があり、そこに恋人や友達が引っ越してきた場合は、途中からでも連名契約に変更できます。
契約書の連名の書きかた
連名契約をする際の書き方を紹介します。
双方に賃料全額の支払い義務がある
連名契約では、契約した人全員に支払い義務があります。連名契約は片方が病気などで支払いができなくなった場合は、残りの人が全て払わなくてはならないので注意が必要です。そのため、連名契約をする前に今一度よく考えておきましょう。
2人で契約した場合は、請求書が別々に届くので、きちんと払っているかどうかがわかりません。この場合、よくあるトラブルが恋人と同棲するときに連名契約で借りたが、別れをきっかけに1人だけが住むときです。別れて出て行った方は連絡が取れない状態なので家賃をきちんと支払っているかが分かりません。数ヶ月〜半年後に大家さんから支払いが滞っている連絡が来て、相手が払ってないことを初めて知ります。その場合、払ってない分の家賃まで請求されるので、大変です。また、相手の分まで払いたくないといい、払わない人もいるので部屋を貸している側もトラブルに陥るので、連名契約をする際には支払いに関してお互いにもきちんと話し合っておくのが良いです。
契約者、連帯保証人をそれぞれの親族でたてる
連名契約をする場合の一般的な方法は、それぞれが連帯保証人を立てることです。連帯保証人を立てることで、先ほどのようなトラブルが起きた場合に連絡を取ることができるので、トラブル回避ができておすすめです。また、連帯保証人は信頼しやすい親族にすることが多く、2人で契約する場合はそれぞれの親族を連帯保証人にします。
例えば、2人で同棲する部屋を借りる場合、彼氏側も自分の親族を連帯保証人として書き、彼女側も自分の親族を連帯保証人にします。このようなケースの場合は家賃滞納などのトラブルが減るので、借りる側も貸す側も安心です。
連名契約のメリットとデメリット
連名契約において、どのような良い点と悪い点があるのかを紹介します。
何かあっても全員に請求できる
家賃の支払い以外に何かあった場合に、みんなに平等に金額が請求されるので、代表者のみの支払いにはなりません。例えば家のメンテナンス代だったりなど追加で料金がかかっても全員で支払いするので安心です。また、このメリットを利用すれば、家のメンテナンスなどもやりやすくなるので、家の中の気になるところを変えられます。
支払額が平等になる
先ほど説明したように、何かしらの請求があった場合も支払い額が平等なので、1人当たりの負担が減ります。それと同じように賃貸契約を数人でしている場合も、家賃の支払いが平等なので、お金がない学生におすすめです。支払いを数人で分けることで、1人で住むよりも良い部屋に住めることが多く、家賃も少なくて済むので良いことだらけです。
1人でも抜けたら一から契約を結ぶ必要がある
数人でルームシェアしている場合、誰か1人が出て行くことは珍しくありません。誰かが抜けると最初に結んだ契約は白紙に戻るため、新たに契約を結ばなければいけません。誰かが抜けたり、新しく入る度にこの工程を行わなければいけないので大変です。
敷金返還でトラブルになることも
賃貸契約をする際に、敷金をみんなで平等で払った場合、退去する際の返済時にもみんなで平等に分けるのが一般的です。ただし、数年間住んでいたとして、今まで住んでいた人が抜けたり、新しく入ってきたりなどで昔の人に連絡がつかないなんてこともあります。そのため、敷金の取り分がその人に渡らなくなり、後から自分だけ返済されていないことを知り、トラブルに発生するというケースもあります。連名契約で敷金返済のトラブルが起こることがよくあるので、注意が必要です。
連名契約の仕組みを理解してトラブルを回避しよう
連名契約は家賃などの支払いを数人で行えるので便利です。しかし、その一方ではトラブルになる可能性もあるので、連名契約を検討している方は、一度よく考えてからにしましょう。