契約書は大事なものなので、契約書の作成業務に関わることになった人は不安もあるでしょう。ここでは、ページ数が複数になった時にはどのようにすればいいのか、改ページをしてもいいのかなどの疑問を解消しつつ、問題のない契約書を作る方法を紹介します。
目次
ページ数が多い契約書の作成の仕方
まずは、複数枚にわたる契約書の作成方法について紹介します。複数ページになると、1枚だけの契約書にはなかったルールがありますので、確認しましょう。
契約書にはページ数を印字しよう
複数枚にわたる契約書を作成する場合には、ページ数を印字する必要があります。これは契約を取りまとめた後で一部のページを抜き取ったり、差し替えたりといった不正を防止する意味合いがあります。1、2、3…とページ番号が整っていることで、ページが複数にわたっていても同じ内容について書かれた文章だというつながりを証明します。
契約書のページ数が多い時には契印も大変
複数枚にわたる契約書を作る場合、ページ番号の他にもページのつながりを証明できるようにと契印を押す作業があります。契印とは、ページとページの分かれ目のところにハンコを押すことで、あとからそのハンコの位置によって両方のページがもともと繋がっていたのかどうかを確認できます。
契約の当事者全員のハンコをページの境目すべてに押すことになるため、複数枚にわたる契約書を作るときにはその作業が大変です。
契約書を製本や袋とじすると契印が楽に
ハンコを押すのが大変だという話をしましたが、それを解消できる方法があります。それが袋とじ・製本です。
複数枚にわたるときにその作業をしておくと、その袋とじと契約書との間に契印を押すだけで済みます。ページとページの境目全てに押さずに済むので便利です。これは、背表紙の背側と上下部分に封をしてあることで中の書類の一部だけを差し替えたりすることができなくなるからです。
契印は、契約を締結する相手側にも押してもらう必要があります。なので全ページにハンコを押させるという手間を相手にかけさせないためにも、複数枚にわたる場合には袋とじをしておいた方が良いでしょう。
契約書を製本や袋とじする方法
それではどうすればいいのか、方法を確認しましょう。
まずは、複数枚にわたっている契約書をホチキスで留めます。そして袋とじ用の形に紙を切ります。袋とじは縦長の紙を背表紙として貼り付けることなので、紙を背表紙になるように契約書の縦幅と同じ長さにして、契約書の厚さにあたる真ん中の部分だけ上下1~2センチほど契約書よりも長い状態にしましょう。真ん中だけぴょこっと飛び出した状態の縦長の紙になります。
その紙を背表紙になるような形で契約書に付けます。さらに真ん中だけ長く飛び出していた部分を契約書の上部と下部に貼り付けます。
この作業に製本テープを使えば、もともと袋とじの形になっているので便利です。製本テープは文房具屋さんなどで購入できます。
ページ数が多い契約書の改ページ方法
書類は、見やすさも大事ですよね。ページ数が多い契約書を作成する場合に「改ページが使えるのならもっと見栄えが良くなるのになあ」と悩んだことはありませんか?
改ページが使えるかわからなくて使わずにいたら、次ページとの間の文章が変に途切れて分かりにくくなってしまったという人も多いのではないでしょうか。
実は、契約書でも改ページを使うことができます。
契約書の改ページにはルールがある
改ページを使用できると述べましたが、使う前に確認しておきたい部分もあります。契約書を改ページする場合には、他の文書とは少し違ったルールがあるのでチェックしましょう。
契約書には空白部分を作らない
契約書の見栄えを気にするあまり空白部分を作ってしまうと、その部分に本来契約時にはない内容を後から書き加えられて改ざんされてしまうという危険性があります。それを防ぐためにも、区切りのいい部分にこだわり過ぎないようにしましょう。1行程度が残った状態での改ページならOKです。
また、余白になってしまうけれどどうしてもここで改ページをしたい、という場合には(以下余白)や(この頁、以下余白)などと書いておけば、後から何かが書かれても、最初からあったものではないことが第三者にも伝わります。
行間で調節する方法もあるが改ざんには注意
改ページ以外の対応として、行間で調節する方法もあります。
これも改ざんされない程度の行間にすることに注意が必要です。文字の間にさらに文字が追加できるほどに広がったりしてはいけません。2、3行くらいの余白部分を埋めるためであれば、そこまで広がりはしないでしょう。
ページ数が多い契約書は工夫しよう!
ページ数が多い契約書についてはページ数を印字し、契印を押します。また契印の手間を省くために袋とじなどの製本作業をすることもあります。
契約書は改ページをしたり、行間を調整したりといった方法で見栄えを良くすることも可能ですが、不正に書き込めるほどには余白を作ってはいけないことなどに注意して、ページ数が多い契約書を作成しましょう。