契約書の甲乙丙の順番に上下はあるの?英語契約書の場合もご紹介

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契約書の甲乙丙の順番に上下はあるの?英語契約書の場合もご紹介

契約書の作成業務をするとき、どちらを甲(こう)にしてどちらを乙(おつ)にすればいいのか気になるときがあります。甲乙丙(こうおつへい)は順番に意味があるのか、上下はあるのか確認していきましょう。

また、英語の契約書に関する表記方法についても紹介します。

 

契約書で甲乙の順番はどちらにするか

それでは、契約書において甲乙をどちらにすればいいのか、確認しましょう。

 契約書の甲乙丙、順番に上下は基本的にない

契約書では、甲乙の順番や上下について特に決まりはありません。基本的にはそれほど気にする必要のないものですが、契約を取り交わす相手によっては気にする場合もあるので注意が必要です。

甲を上位、乙を下位と見られる場合がある

契約を取り交わす相手によっては、甲を上位、乙を下位として捉える場合があります。まったくそれを留意せずに契約書を作成すると、最悪の場合、契約書の表記を見て気分を害し、最終的な局面で契約に至らないといったことにもなるかもしれません。

契約書は、その可能性を充分に考慮しつつ作成するようにしましょう。

業界で順番が決まっている場合も

一般的にはどちらが甲でも乙でも構いませんが、業界によってはどちらが甲でどちらが乙か決まっている場合もあります。不動産取引の契約書などがその例です。

慣習として甲乙の順番が決まっている業界においては、その順番を誤ると相手に失礼になることもあるので注意しましょう。

甲乙丙の表記間違いに注意

もっとも注意すべき点は、甲、乙、丙を決めて契約書を作成していたはずだったのに、途中でそれらを入れ替えてしまわないことです。これをしてしまうと、本来甲である側が負うべき義務や権利を乙である側が負うことになったり、万が一その事実に誰も気づかずに契約が取り交わされた場合には取り返しのつかないことになってしまいます。

この間違いをなくすには、おすすめの確認方法があります。これは、ワープロソフトを使用して契約書を作成している場合に使える方法ですが、契約書を作成した後で、用語の置換機能を活用するのです。甲、乙、丙をそれぞれ会社名に一括変換すれば、間違いにもすぐに気づけるようになります。

また、そもそも甲乙丙と表記するのではなく、最初から「売主」や「買主」、「貸主」や「借主」といったわかりやすい表記にするのもおすすめです。

 

甲乙の順番がほぼ決まっている場合の契約書

ここからは、契約書を作成する際に、どちらを甲にしてどちらを乙にするかがだいたい決まっている事例について紹介します。

ビジネスの場合は依頼する人に甲が多い

ビジネスでの契約には、仕事を依頼する側を甲にすることが多いという慣習があります。

売買契約やサービスに関する契約においては、お金を支払う側を甲にするのが自然でしょう。

不動産取引の場合は地主側に甲が多い

不動産取引の場合には、不動産を所有する地主側が甲になることが多いです。

不動産を売る側、貸す側を甲にして、不動産を買う側、借りる側を乙にすると良いでしょう。

この場合は、そもそも甲乙を使わずに書くほうが分かりやすくなります。

不動産を売る側を「売主」、買う側を「買主」、そして不動産を貸す側を「貸主」、借りる側を「借主」とすることをおすすめします。

大企業との取引の場合は大企業に甲が多い

明らかに規模が違う企業間の取引においては、大企業側が甲になることが多いです。これは大企業側が作成した契約書を使って契約することが多いのが影響しています。契約書を作成する側の企業の方が、より自分の企業の利益になるように契約書を作成するため、契約の主導を取りやすいといえます。

そのため、同規模の企業同士が契約を交わす場合には、どちらの企業を甲にするかから話が始まることがあります。どちらが作った契約書を使うかによって、そういった差が出てくる場合があることには留意しましょう。

 

英語の契約書における甲乙の表記方法

最後に英語で契約書を作成する場合の表記方法を紹介します。グローバル化を目指す企業にとって英語の契約書は、海外に進出する時などに必要になってきます。

英語の契約書では、PartyやPartiesといった記載をすることが多くあります。契約に関係のある両方のことを指す場合には「the Parties」と記載し、当事者については「Party」と記載します。

英語の契約書では、甲乙といったような表記をあまりしません。売主ならSeller、買主ならBuyerといったように具体的な表記をします。

日本や中国で作成されている英文契約書の場合には、甲乙のような意味合いでParty A、Party Bと記載したり、First Partyや Second Partyと記載する場合もあります。

そうすると「third party」は日本の契約書における「丙」に当たりそうな気がしますが、実際には第三者を意味するので注意してくださいね。

 

甲乙丙に注意して契約書を作ろう!

契約書における甲乙丙に順番や上下はありません。しかし、契約内容や業界によって慣習的な決まりがある場合があります。

甲乙には上下があると受け止められる場合があること、契約書において甲乙丙の表記が途中で入れ替わると、契約そのものが結ばれなくなる可能性もあることに気を付ける必要があります。英文の契約書のように「売主」と「買主」といったような書き方にすると失敗もしにくくなるのでおすすめです。

これらを参考にしてしっかりとした契約書を作成しましょう。

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