紙の契約書を作成した後、気になるのは保管の方法ですよね。パンチで穴を開けてファイルに挟み込みたい人も多いでしょう。契約書の原本は大事にしないといけませんが、保管するために契約書にパンチで穴を開けても大丈夫なのでしょうか。
契約書の空白部分にパンチを使用できるのかどうか、開けるとしたら何に気をつけるべきかなどを紹介します。
目次
契約書の空白部分にはパンチを使用できる
契約書は契約を証明する大事な書類なので、パンチで穴を開けても効力などに変わりないのか気になりますよね。実は、穴を開けたとしても契約書の法的効力には問題ありません。
契約書を大事にするあまり、パンチで穴を開けられずにうまく保管ができなかったという人も、これからは安心して保管できるようになりますね。
契約書にパンチを使用する場合の注意事項
まずは、契約書にパンチで穴を開けたときに注意しておくべき事項について紹介します。契約書の空白部分にはパンチを使用できる、ということですが、以下の事柄については気をつけておきましょう。契約者の間で、契約する条件の修正や改正などをするときに前の契約書を相互に確認することがあります。そのとき問題にならない契約書を残しておくために確認してください。
印紙や契印などに穴を開けないこと
契約書には収入印紙が貼られていたり、契印などがあったりします。パンチで穴を開けたときに、それらにも穴が開いてしまうようではよくありません。特に、契印はページとページの間にまたがって押すものなので、パンチで穴を開ける際の位置とちょうど同じくらいになってしまいがちです。
また、もちろん契約書に書かれている文章に穴が開いてしまうこともいけません。契約書にパンチを使用する場合には、穴開けの位置に契印や収入印紙がないか、文字がないかなどを確認しておきましょう。
製本された契約書はホチキスに注意
ページ数が多い契約書の場合には、ホチキスで留めてあることもあるでしょう。ホチキスは硬い素材でできていますので、ホチキスで留めてある場所にパンチで穴を開けることはできません。ホチキスの位置を確認しておきましょう。
契約書作成時にはパンチを予期して
このように、契約書ができた後にパンチで穴を開けようとしても、契印やホチキスがあったりして穴を開けられないことがあります。
もともとパンチで穴を開ける予定があるのであれば、契約書を作成するときから穴を開けそうな位置には何もない状態になるように気をつけておくと良いでしょう。
複数枚の契約書を製本する場合
契約書にパンチで穴を開けるのは、保管のためだけではありません。複数ページにわたる契約書を製本する場合にもパンチを使うことがありますので、確認しておきましょう。
ホチキスが不可能な厚さにはパンチで
通常、ページ数が多い契約書を作成する場合には、ホチキスを利用して製本作業をすることが多いでしょう。しかし、あまりにページ数が多いと契約書が分厚くなりすぎて、ホチキスが使えないことがあります。
そんなときには契約書にパンチで穴を開けて、ひもを通して束ねておくと良いでしょう。袋とじなどの製本作業をする場合には、そのひもの上からホチキスのときと同じように袋とじをしておけば大丈夫です。
契約書はどうやって保管するのがよいか
ここまで契約書にパンチで穴を開けてファイリングする場合について紹介しましたが、その場合は保管場所に多くの契約書を残しておくことになります。場所も取りますし、うまくファイル分けをしておかないと、保管しておいた契約書が必要になったときに探すのが大変です。ここからは、それ以外の保管方法について紹介します。
要件を満たせば契約書をスキャンして原本に
契約書をスキャンして、それをデータとして残しておくということもできるようになりました。その根拠となる法律が「電子帳簿保存法」です。この電子帳簿保存法に示される「スキャナ保存制度」がどんどん変更されていき、今ではある一定の要件を満たせば契約書をスキャンしたものでも原本として認められるようになりました。
パソコンやディスプレイなどを用いて、明瞭な状態で見ることができる必要があるため「解像度が200dpi以上(もしくは3.88メガピクセル)であること」や「RGB階調が256階調(24ビットカラー)であること」などの条件があります。
電子契約書を使えば保管も楽
契約を締結するときに最初から電子契約書を使っておけば、こういった要件を確認する手間もいりません。契約書をスキャンするときなどは自分で確認しながらやる必要がありますが、電子契約書のサービスを使えばそういった法律などはサービス会社側がしっかり担保してくれます。
また、電子契約書を使うことで契約書の不正防止にもなり、保管する場所も必要ないので後から探すのも楽になります。
パンチや電子契約書で効率的な保管を!
このように、契約書にパンチで穴を開けていいのかという疑問については、穴を開けるのが契約書の空白部分であれば大丈夫です。穴を開けてファイリングしたいけれどパンチを使っていいのかどうか気にしていた方は安心ですね。
契約するときに電子契約書を使って契約書を作成することにすれば、さらに保管が楽になりますので参考にしてください。