契約書の送付方法で悩んだことはありませんか。その場で契約を締結するのであれば、署名押印済みの契約書を双方が持ち帰ればいいのですが、実際のビジネスの現場では郵送のやり取りで契約を交わすことも多いです。
契約書の内容に注力し、いざ取引先に契約書を送付する段階になって、「どのような方法で送付すればいいのか?」と迷うこともあるはずです。そこで、契約書送付の際の送り状の書き方と送付の流れを解説します。
目次
契約書の送り状の書き方
契約書を取引先に送る際には、いくつかのマナーがあります。契約書は双方の今後を位置付ける大変重要なものです。裁判になった場合の根拠にもなるものですので、細心の注意を払って取り扱うようにしましょう。
契約書送付の流れ
原則として、契約当事者双方が契約書原本を保管します。そのため、契約書は最低でも2通作成する必要があります。契約する際には、署名捺印した2通の契約書を送り状とともに先方に送り、1通を先方保管、もう1通を返送してもらうというのが一般的な流れになります。
契約書送付にあたっては、一般郵便で送るのではなく必ず郵便局窓口で配達証明か簡易書留で送るようにしましょう。ここをしっかり押さえないと、相手からの信頼の失墜につながります。何より会社の実印を使用した重要書類の紛失リスクにもつながります。
送り状に必要な項目
大切な契約書類を送るための送り状ですから、難しく考えてしまうかもしれませんが、基本的に4点をおさえておけば問題ないでしょう。具体的には、1.送付する日付、2.相手先の名前、3.差し出し企業名と担当者名や連絡先、4.送付物の内容と件数です。
また、送り状も手紙と同様に拝啓や敬具といった頭語と結語、挨拶文を入れるのがビジネスマナーです。送付物内容の前には「記」と記載し、最後には「以上」を加えるようにしましょう。
英語で表現する場合
グローバル化が進む現代においては、取引先が海外企業という場合も考えられます。ここでは詳しい説明は省略しますが、英語の送り状であっても必要な項目は上記とほとんど変わりありません。後は英文の手紙同様に相手先への呼びかけに「Dear」を使う点や、結びに「Yours Sincerely」を使用することを意識しましょう。
メールに添付する場合
現物を送れない場合など、効力が薄れますが、契約書をメールに添付するケースもあります。その時に注意したいのが、件名に必ず書類送付の旨を記す点です。取引先に送られる一日のメール件数も相当数あることが想定され、重要にもかかわらず見逃してしまう可能性もあります。重要なメールであることを、相手にわかってもらう工夫をしましょう。
メール本文については、基本的には送り状と同様の内容で構いません。しかし、送付日はメールの送信日で判断できるので不要ですし、頭語や結語、「記」や「以上」も省きシンプルな文章を心がけましょう。
契約書を返送する際の送り状
ここまで、最初に契約書を送付する立場から解説しました。では、反対に契約書を受け取り記入押印を済ませた後、書類を返送する際にはどのように書けばいいのでしょうか。
送付方法と送り状の書き方
返送する際にも、1.送付する日付、2.相手先の名前、3.差し出し企業名と担当者名や連絡先、4.送付物の内容と件数の4点と手紙のマナーを押さえておけば問題ありません。また、先方から送付されてきているので、書類送付に対するお礼も述べておくほうがいいでしょう。
さらに、先方は印鑑を押した重要な文書を送付しているので、放置して紛失しては大変な問題です。出来るだけ迅速に対応し、先方に返送することを心がけましょう。
契約書の郵送や送り状の注意点
ここまで、契約書の送り状に関する基本的な流れを中心に説明しました。しかし、契約書は重要書類であるがゆえ、送り状の書き方以外にも様々な注意点があります。ここでしっかりと把握し、トラブルを未然に防ぐようにすることが大切です。
厳重な取り扱いが必要
契約書は長く保管する必要のある書類ですから、折れたり濡れたりすることがあってはなりません。送る際には、クリアファイルに入れるなどの工夫をしましょう。
ビジネスマナーを守る
ビジネスマナーを守ることは、相手先との今後の信頼関係にもつながります。例えば、金銭が発生する契約であれば金銭を受け取る側が先に押印するという原則があるので、気をつけておきましょう。また、返送をお願いする場合には、切手を貼付した返信用封筒を同封する心遣いも重要です。
電子契約なら送り状も不要に
このように、契約書を送付する際には送り状を始めとした様々なルール、ビジネスマナーがあることがわかりました。上記のような基本的なポイントを押さえておけば、難しい作業ではありません。しかし、働き方改革が叫ばれる今だからこそ、業務をより効率的に進めたいものです。
そこで、今注目を集めているのが電子契約という手段です。消費者保護の観点から、未だに紙での締結が義務付けられている契約もありますが、それ以外の契約については電子契約をすることでここまで紹介した作業負担を軽減することができます。ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。