契約書の種類により、法的に記載すべき項目が決まっている場合があります。後々トラブルにならないためにも、法的に記載が義務付けされている事項は、もれなく盛り込むことが必須です。
したがって、契約書に関わる法律や判例を調査しておくことも大切になります。ここでは、契約書の作り方やルールに関して解説していきます。
目次
失敗しない契約書の作り方とルールを解説
企業の信頼を損なわないためにも、正しい契約書の作り方を理解しておきましょう。
契約書に盛り込むべき項目とは?
契約書の中に記載する事項は、特に規定があるわけではなく自由に選択できます。しかし、トラブルにならないためにも明記しておいたほうがよい項目もあります。契約書を作成するにあたり、最低限記載しておくべき項目を紹介します。
①履行期間や契約期間:1回きりの契約の場合は、いつまでに履行するのかという期限を記載しましょう。また、継続的な契約の場合は契約期間を開示し、更新についても記載しておきましょう。
②契約解除事由:どのような場合に契約を解除できるのか具体的に記載しておきましょう。
③損害賠償:契約当事者が契約を守らなかった場合の損害賠償金を決めておきます。
④裁判管轄:もし契約内容のことで裁判沙汰になった際に、どこの裁判所で争うかをあらかじめ決めておきます。もし、当事者間の住んでいる場所が離れている場合は、どこの裁判所で争うかを事前に合意の上で決めておきましょう。
このように少なくとも4つの項目は契約書に明記しておくことをおすすめします。
契約書の前文で当事者の甲乙を明記
契約書の前文の中に、当事者が誰なのかということを記載します。一般的には、当事者の氏名や企業名を甲乙で仮称します。なぜなら、氏名や企業名がたびたび記載すると読みにくい文章になるからです。「株式会社〇〇以下「甲」という)と、株式会社〇〇(以下「乙」という)とは、〇〇業務に関し、以下のとおり契約する。」などの1文を入れるようにしましょう。
契約書で押印する印鑑の種類と押し方を解説
契約書で押印するのは、割印と契印です。契約書が複数ある場合に押す割印は、縦横に少しずらして全部の契約書に印影の一部が写るように押印します。署名押印した印鑑とは別のものでも問題ありません。契約書の部数が多い場合は、割印用の縦長の印鑑も使用できます。3社以上の契約を行う際に便利です。
契印は、ページの連続性を示すための押印で、見開きの中央にまたがって契印していきます。製本した場合は、製本部分との境目に契印すれば、見開き部分の押印は不要になります。契印で使用する印鑑は、署名押印したものを使用します。
個人契約書と法人契約書の相違点は?
個人契約書と法人契約書の内容に特に違う部分はありません。個人で申し込むのか、法人で申し込むのかの違いだけです。契約の内容は相違する部分もあるかと思いますが、契約書としての効力は変わりません。
簡単にできる契約書の作り方のコツ
契約書を作成する際には、様々なルールに沿って作成する必要があるので、骨が折れる作業と思うかもしれません。しかし、インターネット上などでは、様々な業態の契約書の雛形が公開されています。
エクセルの契約書なら雛形を使用する
契約書の雛形は、エクセルやワード、PDFなどの種類で公開されています。契約書は、文章が中心の書類なのでワードの雛形を利用しがちですが、エクセルの雛形だと便利な仕様になっていることもあります。
例えば、会社名のセルに数式を入れておけば会社名が表示され、日付も数式で入力できます。そのようにエクセルはセルごとに数式を入力し管理できるので、使いやすいソフトです。エクセルの契約書の雛形も公開されているので、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。ただし、インターネット上の雛形はそのまま利用するのではなく、自社に合う内容に変えて運用するようにしましょう。
本を参考書にして契約書を作成
契約書の作り方を紹介している書籍も数多く販売されています。初心者向けから実務向けまで幅広くありますので、自分に合ったレベルから書籍を選び参考にすることか可能です。
製本は袋とじか製本テープが一般的
契約書が複数枚になった際には、一般的には袋とじか製本テープで製本します。
製本をしなくても法的には問題ありませんが、見た目が綺麗なことに加え、契印を押す箇所が少なくなり手間が省けるからです。
製本ですが、紙で袋とじする部分をカットして作成するか、市販の製本テープを利用するかどちらかです。製本の手順を簡単に紹介しましょう。
①紙や製本テープを契約書の縦の長さより上下ともに長めにカットします。
②幅を3等分し、上下は余るように縦の位置を決め、まずは1/3の部分を表に貼ります。
③裏返して、上下の余った部分に切り込みを入れ、それを折り込むように閉じます。
④残った1/3の部分を裏側に貼り付けます。
⑤はみ出た紙やテープはカットします。
慣れないうちは難しいと思うかもしませんが、慣れれば簡単に製本ができるようになるでしょう。
正しい契約書の作り方のルールを学ぼう
契約書には、業務委託契約書、賃貸契約書など様々な種類があります。
作成する際、契約書によっては必ず盛り込まなければならない項目もありますので、専門家でない場合は難しく感じることもあるでしょう。雛形を利用したり、参考書などでルールを確認しながら、正しい契約書の作り方を覚えておきましょう。