契約書の自動更新条項の書き方や契約解除する際の注意点

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契約書の自動更新条項の書き方や契約解除する際の注意点

契約書づくりに慣れていない人向けに、「自動更新条項」の書き方を解説します。自動更新条項とは、契約の有効期間が終了したときに、契約の当事者が契約を終了する意思表示をしなければ、自動に更新されていくルールです。

契約を更新する意思表示がなくても更新されるので、その分、契約業務が減ります。

自動更新条項には、ルールにしたがって契約終了の手続きを取れば、スムーズに取引を終了させられるメリットもあります。契約解除についても紹介します。

 

契約書の自動更新条項の書き方

自動更新条項は、継続的な取引関係が予想(予定)されるケースにおいて、契約書に追加するのが効果的です。

自動更新条項には、次の3項目を盛り込む必要があります。

 

*契約の有効期間を定める(始期と終期を明記する)

*自動更新するルールを書く

*自動更新を阻止する方法を書く

 

自動更新条項の一例を紹介します。

「本契約の有効期間は、2030年1月1日から2031年12月31日までの1年間とする。ただし、期間満了の1カ月前までに双方から意思表示がなければ、同じ条件でさらに1年間更新され、それ以後も同様とする」

ここでは日付や期間を明示しましたが、始期(2030年1月1日)や終期(2031年12月31日)、有効期間(1年間)、意思表示の期間(期間満了の1カ月前以前)は、契約の当事者が協議して、自由に変更することができます。

自動更新において、自動更新するルールは「何ら意思表示をしないこと」になります。

自動更新条項は終期のタイミングで更新するかどうかの判断が可能

対象の取引が自社にとって不利になってきたら、自動更新をしない手続きを取れば、終期を待って契約を「無傷」で終わらせることができます。

そして、自動更新条項には、「終期で必ず取引を終えられる」機能が備わっているわけです。この機能は、損失を最小限に抑えることができるので、契約当事者にとってとても重要です。

また、自動更新条項には「終期まで安定的に取引できる」機能もあります。取引が自社にとって有利になり、相手の当事者に不利になったときでも、自社は終期まで確実に取引を継続できます。

つまり有利なポジションにいる契約当事者は、「相手の状況に関係なく」取引を終期まで続けることができるのです。

自動更新条項には、取引を安定させる効果があります。

 

契約書の自動更新をしないときの手続き

自動更新条項がある契約では、「双方からの意思表示」が「自動更新を阻止する方法」になります。

先ほどの自動更新条項の内容でいうと、契約当事者は、毎年11月30日までに、自動更新しないことを相手方に伝えれば、その年の12月31日で契約を終わらせることができます。

「期間満了による終了」と「契約解除による終了」の違い

自動更新をしない意思表示をして契約が終了することを「期間満了による契約の終了」といいます。

期間満了による終了では、有効期間内に行なわれた契約行為は有効です。

 

しかし、契約当事者の一方が、有効期間内に契約を解除した場合は、契約行為は有効でなくなります。当事者「双方が」契約がなかった状態に戻す必要があります。

例えば、AがBにある業務を委託して、Bがそれを受託したとします。このときAが、契約の有効期間内にも関わらず契約を解除したら、Aは業務の発注を止め、Bは業務の遂行を止めます。

したがって、AからBへの代金の支払いもストップします。

ただし、このままではBが一方的に「損」をするので、このあと、損害賠償の協議がなされるでしょう。

そのため契約書には、自動更新条項に加えて、契約の有効期間中の契約解除による賠償額についても定めておいたほうがよいでしょう。

 

電子契約書を導入することで条項記入漏れを防げる

自動更新条項を多用する企業は、電子契約書システムを導入したほうがよいでしょう。電子契約書システムであれば、自動更新条項の入力忘れ防止が期待できます。

自動更新条項の入れ忘れがあった場合は契約解除が難航することもある

契約書の作成者が自動更新条項を入れ忘れたら、取引が不利な状況に陥ったとき、契約解除に難航するでしょう。

強引に契約を解除すれば、相手の当事者から損害賠償を請求されるかもしれません。

電子契約書システムを導入すれば、設定さえしておけば、自動更新条約を入れ忘れることはありません。

電子契約システムを導入して、契約業務をIT化すれば、契約ミスのリスクを格段に減らすことができます。

 

契約事務の効率化にも一役買う

電子契約書システムは、自動更新条約を、間違いなく契約書に挿入してくれます。これは、契約事務の合理化につながります。

手づくりの契約書の場合、契約書の作成者もその上司も、または経営者も、毎回契約書を開いて「自動更新条項が入っているかどうか」を確認しなければなりません。

電子契約システムを導入すれば、確認業務は格段に減るでしょう。経営者の業務も管理職の業務も、さらには一般社員の業務も効率化します。

 

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