オンプレミス型のシステムからクラウド型に移行する企業は増加しつつあります。
今後さらにクラウドファーストの普及が予想される中、運用の効率化を図るための新技術が注目されています。
今回は、サーバーレス、コンテナ、マイクロサービスの3つをそれぞれ詳しく解説していきます。
目次
技術①サーバーレス
クラウドサービスを運用するうえで注目されるサーバーレスという技術について解説いたします。
サーバーレスって?
サーバーレスとは「サーバーがない」という意味ではなく、「サーバーの環境構築や運用管理、保守などをすべて提供会社が行ってくれる」という意味を指します。
サービス利用者は一切管理をする必要がなく、サーバー管理レスになることからサーバーレスと呼ばれています。プログラムなどの開発者が利用する際、サーバー管理のことまで考える必要がないため、プログラム業務に専念できます。
サーバーレスとクラウドサービス
クラウドサービスにおけるサーバーレスとは、事業者が提供するクラウドサービスを使い、サーバー用のソフトウェア管理を自動化する技術です。これにより開発や運用の効率向上が期待されています。オンプレミス型で行っていた業務をサーバーレスに移行するという企業もあり、今後さらなる普及が予想されます。
サーバーレスのメリット
サーバーレスのメリットは、利用者がサーバーを構築し運用する業務が不要になることです。また、イベントが発生したときのみコードが実行されるので、メモリやCPUなどのIT資源を無駄遣いすることがありません。システムの使用量や負荷の大きさに合わせて自動的に性能を拡張してもらえるという点も大きなメリットです。さらに、後述するマイクロサービス向けのプラットフォームとしてこの技術を活用することができます。
技術②コンテナ
コンテナというものが何かを解説いたします。
コンテナって?
コンテナとは、OS上でアプリケーションの起動に必要なアプリケーション本体とライブラリ、設定ファイルなどをまとめた「コンテナ」を作成することによって、コンテナエンジン上で動作させる技術のことを指します。
アプリケーションを切り離すことによって、環境がプライベートデータセンターであってもパブリッククラウドであっても、コンテナベースのアプリケーションを使えるようにすることができます。
コンテナと仮想化の違い
仮想化技術とよく似ていますが、従来の仮想化技術ではゲストOSを起動させる必要があったのに対し、コンテナは起動させずにアプリケーションを実行する環境を構築することが可能であるという点で異なります。仮想化のマシンと比べると少ないIT資源でアプリケーションを実行することができます。
コンテナのメリット
コンテナ技術を利用することによって必要最小限のメモリやCPUしか使用しないため、負荷がかからず動作を高速で行うことができます。また、アプリケーションの起動が速いことによりコスト削減や業務の効率化を図ることが可能です。さらに、コンテナの環境を構築するのは比較的簡単なため作業時間を短縮することにも繋がります。
技術③マイクロサービス
最後にマイクロサービス技術について解説いたします。
マイクロサービスって?
マイクロサービスとは、サービス単位で互いに連携を行い、組み合わせて大きなアプリケーションを構築するソフトウェア開発技術のことを指します。
ソフトウェアを開発する際、従来はすべての機能をまとめた塊として設計していましたが、マイクロサービスは機能を分解して1つずつをつくってから組み合わせるという考え方です。
たとえば、ネット通販などのアプリケーションはユーザーの要望に応じて改良を行う必要があり頻繁にシステムを変更しなければなりませんが、マイクロサービスは一部の機能を変えるだけで済むため注目を集めています。
マイクロサービスの特徴
マイクロサービスの各サービスは、他サービスの機能に影響を与えることなく開発や実行を行うことができる自律性が特徴です。コードや実装を共有する必要もありません。また、それぞれの小さなサービスが呼び出しを行う際、ネットワークを経由して行われるのもマイクロサービスの特徴です。
マイクロサービスのメリット
マイクロサービスのメリットは、様々な技術を簡単に採用できることです。それぞれのサービスはネットワーク上に公開したインターフェースを呼び出すだけで、他に制約や依存関係はないため、それぞれのサービスが異なる技術を採用しても問題ありません。新機能や技術を採用したい場合、開発期間が短縮されるため容易に取り入れることができます。
システム運用時に機能を追加したり障害が起こった際に迅速に対応したりすることにも繋がります。
まとめ
近年クラウドサービスを採用する企業は増え、運用スタイルも進化しています。
クラウドネイティブ化を考えている人はこれらの新技術を採用してさらなる運用効率化を図ってみてはいかがでしょうか。