契約の効力発生日が契約日とは限らない|契約効力の発生要件を考える

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契約の効力発生日が契約日とは限らない|契約効力の発生要件を考える

契約において定められた契約内容がどのような効力を持つかは非常に重要です。またそれは「いつからいつまで」効力を持つかも同様です。契約書では、その効力や効力を持つ期間をどのように定めるのでしょうか。

この記事では、契約書の効力とは何か、さらに効力の発生日と契約日の違いについて解説します。

 

契約書の効力とは何か?

契約書は、当事者同士が定めた取り決めを客観的に記録するものです。当然そこには、その効力が及ぶ範囲、時期などについても明確に定めます。

 

契約内容を一致させる確認の効力

2人以上の取り決めでは、突き詰めていくと内容が異なる可能性があります。それは前提や用語の定義が違ったり、すべての事態をカバーできていなかったりすることが原因のこともあります。しかし、契約書は「誰が見ても同じ内容」であることが求められます。特に、当事者間で齟齬が起これば互いの不利益にもなりかねません。

契約書は、このような契約内容の認識をお互いに一致させる「確認」の効力を持ちます。これにより、次の2つの効力が導き出されます。

 

行き違いを回避する紛争予防の効力

あらゆる事態を想定して契約内容を規定し、それらについてお互いの認識が一致していれば、認識の違いによる紛争が起こることはありません。契約に明記されていない事態が起きたとしても、たとえば「このほかの事態が起きた場合は、当事者間で協議して対処する」というように明記してさえいれば、少なくとも勝手な理解による紛争を防ぐことができます。

 

契約の証拠としての立証の効力

契約書に取り決めのすべてを盛り込んでいれば、契約書はその時点で間違いなく同意していた「証拠」にもなります。原則として客観的に誰が見ても同じ内容なので、万が一紛争となったとしてもその取り決めに反する方が譲歩するしかありません。

とはいえ、争うことが目的ではありません。契約書にはそれほどの効力があるということを充分認識して取り組む必要があると理解しておくべきでしょう。

 

効力の発生する日を定める

また、契約書にはこれらの効力が「いつから発生するか」を定めることができます。これも当事者の協議で定めますから、それぞれが熟慮し、利益・不利益を承知の上で契約を交わす必要があります。

 

契約書における効力発生日と契約締結日との違い

契約書には、契約締結日、あるいは契約内容の効力発生日といったそれぞれ定義の異なる日付があります。特に契約の種類によっては、その効力が発生する日と契約締結日を変えたい場合もあるでしょう。そういった場合に備えて、これらの定義を正確に知っておく必要があります。

 

契約締結日と効力発生日とが同日にならない場合も

一般的な契約においては、契約締結日と効力発生日は一致することが多いといえます。しかし、例えば遠方の相手との契約ではそうもいきません。遠方の相手と契約を交わす場合には郵送で書面のやりとりを行うため、郵送している間は契約の効力が発生し得ない状況であるといえます。このような場合、契約締結日と効力発生日を合わせることが物理的に不可能になるのです。

 

契約相手が同意すれば同日である必要はない

前項の例のような場合、契約を締結した日からある一定の期間その効力を発生させないことを契約書に明記します。これは、民法第135条1項にも定められている有効な手法で、要するに契約締結日以降の日付を効力発生日として指定するのです。そうすれば、契約事項の効力が発生するのは効力発生日を迎えてからとなります。

 

効力の適用日は過去の日でも可

締結日よりさかのぼった日付を効力発生日として指定することもできます。取引によっては、やむを得ない事情で先行して取引を開始しなくてはならない場合もあり、当事者間で協議した結果、契約締結日より前に効力発生日を設けることに法律上の問題はありません。あらかじめ契約書にその趣旨を明記すれば有効となります。

 

契約当事者間で充分な協議と同意が必要

契約締結日よりも後に効力発生日を指定する場合、あるいは締結日からさかのぼって過去の日を効力発生日として指定する場合、そのどちらにおいても契約を交わす当事者同士が充分に協議を重ね、意思統一を図った上で契約書にそれを明記する必要があります。双方の同意なしでは後にトラブルを引き起こすことにもなりかねないので充分に注意しましょう。

 

効力とその発生日を充分協議しよう

契約取引でトラブルになる原因の多くは「認識のズレ」によるものだといいます。それは文言や条文の定義や解釈、効力やその発生日についても同様で、スムーズな取引は当事者間の認識が一致していることが前提です。

そのために必要なのは、効力の性質を正しく理解し、当事者が互いに認識を一致させようと努めることです。

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