契約書に署名をするにあたり、本人が署名できないといった場合があるかもしれません。そのような場合、第三者がその署名を行うことができるのでしょうか。
今回は、第三者が契約書に署名できるのか、できるとすればそれはどんな理由でできるのかなどについて紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
目次
契約書の代筆は有効になるのか
契約の当事者が何らかの理由で自ら署名できない場合、ほかの人が署名せざるを得ない場合もあるでしょう。このように、契約当事者に代わって第三者が契約書の署名を行うことは、有効なものとして認められるのでしょうか。ここでは、契約書の代筆が有効になるのかを解説します。
身体的な理由で代筆した場合
障害などの身体的な理由で、自分では契約書に署名することができない場合があります。このように、何らかの理由で自ら署名できない場合には、誰かほかの人に代筆してもらう以外に手はありません。
もし、契約の当事者が身体に障害を持っているなどを理由に自ら署名することができず、その署名を第三者である代理人が行った場合にあっても、契約は有効に成立します。ただし、その場合でも契約の内容をしっかりと本人が確認して同意する必要があり、その上で代理人に署名してもらわなければなりません。
代理権を与えられている場合
身体的や年齢的な理由により、自分で署名ができない場合に代理人のサインは有効となります。ただし、契約者本人の同意がないまま勝手に署名することはできません。この場合は、代理人であることを明確に示さなければならず、代理権を与えられていることを証明しなければなりません。これが認められるのは、親が未成年の子どもの契約書に署名する場合や会社の代表者が契約書に会社の名前を書く場合などです。
本人名と代理人名を両方を書く
代理人の名前のみが書かれたものは署名代理といいます。そのため、代理人であることを示す際には、代理人と契約を結ぶ本人の名前の両方を書く必要があります。両方書くことで本人から代理権を与えられていることが証明されるので、どちらの名前も書くのが良いのです。
その他の場合
ほかにも、契約書においては代理人が署名することも多く、また多くの場合それが認められているのも事実です。仮に、本人がまったく内容を確認していない状態で、契約とは関係ない第三者が署名をしていたとしても、その事実を立証できない限り契約は有効とみなされてしまうので注意が必要です。
また、契約書に第三者が署名する場合には、契約者本人との関係性も重要な判断事項になります。例えば親や代表者、後見的立場にある者の場合は、本人との関係が深いので有効になりやすいといわれています。
契約書の代筆の書き方
契約書に第三者が署名する場合は、どのように書くのが正解なのでしょうか。代筆の方法をしっかりとわきまえておけば、実際にその場面が訪れても慌てることはありません。以下では、代筆の正しい書き方について紹介します。
本人の契約意思が確認できること
契約書に第三者が署名をする際には、契約者本人の意思確認が必要であり重要なことです。先ほども説明したように、契約者本人が契約内容を確認し、そこに署名する意思があることが代筆の前提であり、契約者本人に署名の意思がない、すなわち契約を取り交わす意思がないのに第三者が署名したとなれば無効になる可能性が高いでしょう。
本人の意思確認ができていることによって、第三者が署名したとしても本人が契約したことになるのです。ただし、身に覚えのない契約の無効を訴えたとしても、本人の意思確認があったかどうかを立証するなどの手続きが発生します。こういったトラブルが起きてしまうと解決に時間がかかってしまうこともあるので、代理人は慎重に選びましょう。
代わりに印鑑を押す
第三者が署名するのはとても簡単です。印鑑を押す場合は、印鑑を用意して指定の欄に捺印します。また、サインの場合も、変わりに署名するだけで完了するので、難しいことは何らありません。代わりに署名をする際には、実印かゴム印なのか、サインをするだけなのかなど、どのようにサインするかをしっかりと確認するようにしましょう。
契約書の代筆は有効である
第三者の署名は、基本的に有効になります。例えば、親が子供の代わりに署名したり、経営者が会社の名前で署名したりすることもあるでしょう。このような場合は、本人との関係性が確実なので有効になりやすいものです。また、全く関係のない第三者が署名することも可能です。ただし、トラブルの発生を防ぐために本人の代わりであることを証明できる状態であることが重要になります。
契約書と代筆はとても簡単で、契約者本人に代わって署名捺印をするだけで完了します。また、本人と自分の名前を両方書くことで本人が確認したことを示すことにもなり、あとでトラブルに発展することも避けられます。契約書で代筆をする際には、本人の意思をしっかりと確認してからするようにしましょう。