定型約款を変更するにはどうすればいい?ポイントを解説

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定型約款を変更するにはどうすればいい?ポイントを解説

民法改正が2017年に行われ、約款を変更することが可能になりました。

しかし変更には条件があり、変更の際には手続きが必要になります。

そこで今回は、民法改正によって新たに規定された、定型約款の変更の条件と変更の手続きや、経過規定について解説いたします。

 

定型約款を変更できる条件

定型約款を変更するためにはいくつかの条件を満たす必要があります。条件を一つでも満たさない場合、定型約款を変更することは不可能です。

どのような条件があるのかしっかりと把握しておく必要があります。

 

民法改正による規定

定型約款は、原則として契約の当事者の合意が得られない限り、締結した契約の個別の条項を変更することはできませんでした。しかし、民法改正が行われたことにより、条件を満たせば定型約款を変更することができるようになりました。

一つは定型約款を変更することで、相手の一般の利益に適合する場合です。一般的に「利益変更」と呼ばれます。もう一つは、定型約款の変更が契約の目的に反しないことを前提として合理的であると判断される場合です。利益変更に対し「不利益変更」と呼ばれます。

 

目的の適合性

定型約款の変更が、契約の目的に適合したままであるかどうかについては、一方の当事者の主観的な意図では判断されません。適合性の判断は、両当事者間で共有された契約の目的の基準によって判断されます。

 

変更の合理性

変更の合理性については、いくつかの基準が存在します。まずは変更の必要性です。

相手方から個別に変更の同意を得ることが困難である場合や変更が行われない場合、当初の契約の目的が達成されない場合には変更の必要性が認められる可能性があります。

次に判断されるのが内容の相当性です。変更後の内容が相当であるかどうかは、相手方に発生する不利益の性質や程度によって判断されるため、具体的な基準が存在しません。そのためケースバイケースの判断になってしまいますが、相手が被る不利益に対して正当性がない場合は相当性が無いと判断される場合がほとんどです。

また、変更条項の有無についても合理性を判断する際の基準になります。基準を満たすためには変更条件を設けた上で、その内容について、定型約款の変更が必要であると想定される場合をできるだけ具体的に列挙する必要があります。

また、変更の手続きについても明記しておく必要があります。その他の合理性の判断基準として、変更の効力発生までの猶予期間の長さや、同業他社が相手方に課している負担との比較、相手方が変更後の契約内容に拘束されることを望まない場合への任意の解除権の有無などが挙げられます。

 

定型約款を変更する手続き

定型約款を変更する際には、いくつかの手続きが必要になります。手続きを疎かにしてしまうと、変更の条件を満たしていた場合でも定型約款の変更が認められませんので、注意が必要です。どのような方法で手続きを行えばよいのか、しっかりと把握しておく必要があります。

 

変更の手続き

定型約款の変更の手続きには、まず変更の効力が発生する時期を定める必要があります。

また、定型約款を変更する旨と効力発生時期を適切な方法により周知する必要があります。これらの手続きは、利益変更と不利益変更のどちらにも必要な手続きです。

不利益変更の場合、これらの手続きを疎かにしてしまうと、どれだけ合理性が認められていた変更でも効力が発生しないことになってしまうため注意が必要です。

 

周知の方法

定型約款の変更についての周知は、相手方に個別に通知する必要はありません。ウェブサイトなどで定型約款を変更する旨とその内容、効力が発生する時期を掲載し、相手方が閲覧できる機会を設けることで、周知に関して充分な変更手続の要件を満たすことが可能です。

ただし、不利益変更の場合、不利益の程度が大きいものであると判断されるような変更の場合は、相手方に個別に通知する必要も考えられます。

 

経過規定について

2020年6月に改正民法が施行される以前に締結された、定型約款に該当するものに関しては、原則として改正民法の規律が適用されます。そのため、既に運用している約款のうち、定型約款に該当する約款は直ちに検討や対応を行う必要があります。

定型約款の該当性については、事業者と消費者の区別が無く、事業者間で用いられる約款についても該当するため注意が必要です。約款の内容を変更する際には、定型約款に該当するかどうかについて一度確認しておく必要があります。

 

まとめ

定型約款を変更する場合には、いくつかの条件を満たしたうえで、手続きをしっかりと経る必要があります。変更の条件が満たされていなかったり、変更の手続きを疎かにしたりした場合は、定型約款の変更が認められないため注意が必要です。

また、民法改正前に締結した契約の約款に関しても、改正後に定型約款として取り扱われる場合があるため、変更の際には一度確認しておく必要があります。

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