サービスや商品の供給者と代理店が契約を結ぶ場合、正式に契約が締結された文書となるため、収入印紙の貼付が必要になるのではないかと疑問に思うかもしれません。
このような契約形態においても収入印紙が必要になる条件があるため、正しい知識を持っていなければ思わぬペナルティを受ける危険性があります。
そこで本記事では、代理店契約において印紙が必要になる条件や、収入印紙を貼付していない場合のリスクについて、詳しく説明します。
目次
条件を満たせば代理店契約で印紙が必要になる
代理店契約であっても、通常の文書と同様に条件を満たすことで印紙が必要になります。
まずは、このような契約形態において印紙が必要になる条件について、詳しく説明します。
契約書が7号文書に該当するか確認
文書が7号に該当する場合、書類に印紙を貼付しなければなりません。
7号文書は、取引が継続的に行われるということが定められた文書のことで、営業者同士の契約や売買の委託といった、一定の条件を満たした内容が記載されたものであれば、収入印紙の貼付が義務付けられています。
代理店契約にもさまざまな種類がありますが、契約内容や業種、文書の内容によって収入印紙が必要になるかを事前に確認しておくことが大切です。
7号文書に必要な印紙税額
7号文書に該当するものである場合、貼付すべき金額は4,000円となっています。
文書を作成する場合、適切な印紙が貼られているかを確認しておくことで、法令に基づいた書類を作成できていることが客観的に証明できるようになるのです。
収入印紙を貼付していない場合のリスク
収入印紙を貼付する必要がある文書であるにも関わらず貼付していない場合、必要な税金を納付していないことになってしまいます。
それによって、ペナルティを受ける対象になってしまい、思わぬ負担が生じてしまうため注意が必要です。
ここからは、収入印紙を貼付していない場合のリスクについて、詳しく説明します。
過怠金を納付しなければならない
7号文書であるにも関わらず収入印紙を貼付していない場合、納めるべき印紙税額の3倍の金額を納付しなければなりません。
そのため、印紙を貼っていないことで不要な支出が増えてしまうことにつながるため、印紙の貼り忘れがないように気をつけて文書を作成することが大切です。
事業者の信用が低下するリスクがある
貼付すべき印紙が貼られていなければ、社会的な信用が低くなってしまうといった事態が起こり得ます。
健全な事業運営をしていることを客観的に証明できるようにするためにも、必要な印紙を貼付した上で文書を作成するようにしましょう。
契約が無効になることは無い
収入印紙を貼付していなかったとしても、契約書自体が無効になることはありません。
そのため、作成した契約書に基づいて取引を進めることに問題がありませんが、ここまで説明したようなペナルティやリスクを負わないようにするためにも、適切に印紙を貼付しておくことが不可欠です。
代理店契約で印紙税を節約する方法
税法上、多くの代理店契約において、約束を締結する文書が印紙貼付の対象になるような条件になっています。
しかし、場合によっては代理店契約においても印紙代を節約することができます。特に契約書の取り交わしが多い事業者にとっては、印紙税の節約方法を知っておくことは大切です。
ここからは、代理店契約で印紙代を節約する方法について、詳しく説明します。
7号文書に該当しなければ印紙税は不要
代理店契約において収入印紙を貼付しなければならないケースは、文書が7号文書に該当する場合です。
そのため、作成した代理店契約書が7号文書に該当しなければ、印紙を貼付しなくても良いということになります。
具体的には、契約の更新について記載せず契約期間を3か月以内にしたり、委任契約や準委任契約にしたりするといった方法があります。
また、複数の取引について記載するのではなく、基本契約を含んだ個別契約を毎回結ぶことでも、7号文書に該当しない契約書が作れるので、契約相手と相談しながら文書を作成していきましょう。
電子契約書で代理店契約書を作成する
適切な文書を作成しながらも印紙税を節約するためには、電子契約書を利用するのがおすすめです。
印紙税を節約できるような契約書の作成方法にするのも方法のひとつですが、短期間で契約書の取り交わしを繰り返したり、印紙税の節約のために記載されている文言を変更したりするのは、あまり現実的とは言えません。
電子契約書を利用すれば、電子媒体で契約書を作成することになるため、収入印紙を貼付する必要がなくなるのです。
印紙税について理解した上で代理店契約を結ぼう
本記事では、代理店契約を結ぶ上で、契約を取り交わしたことを記載する文書に、収入印紙を貼付する必要があるのかということについて説明しました。
方法によっては印紙税を節約できるため、契約相手と相談しながら適切な方法で文書を作成するようにしましょう。
ここで説明した内容を参考にして、印紙税の負担を抑えながら適切な契約書を作れるようになってくださいね。