書面交付義務とは?義務化されている場面や注意点を紹介

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書面交付義務とは?義務化されている場面や注意点を紹介

ペーパーレス化が推進されている現代において、書面での契約手続きが電子化されることによって、手続きの簡素化やコスト削減に取り組んでいる企業が増えています。

 

しかし、契約場面によっては電子化が認められておらず、書面交付義務が課されているケースもあるのです。そのため、契約に関する法的な背景を理解しておかなければ、適切に契約を結ぶことができなくなってしまう危険性があります。

そこで本記事では、書面交付義務がどのようなものであるか、書面交付義務が課されている場面や注意点について、詳しく説明します。

 

書面交付義務とは?

適切に契約手続きを進めていくために、まずは書面交付義務についての概要を理解しておくことが大切です。

その上で、具体的に書面交付義務が課されている場面を理解し、必要に応じて柔軟に手続き方法を選択できるようにしておかなければなりません。

ここからは、書面交付義務の概要について、詳しく説明します。

 

法定事項を書面交付する義務のこと

書面交付義務とは、不動産契約や賃貸借契約といった法定事項について定めた内容を、契約相手に対して書面で交付する義務のことを言います。

具体的には、契約当事者の氏名や住所、物件の所在地や取引代金といった事項が法定事項に該当し、必要事項を漏れなく記載することで、正式に契約が成立するのです。

そのため、記載内容に不備がないかどうかを十分確認した上で、確実に文書が契約相手に交付されたかを確認する必要があります。

 

さまざまな場面で義務化されている

法定事項の書面交付義務は、以下のような場面で課されています。

 

  1. 電気通信事業法
  2. 下請法
  3. 特商法
  4. クレジットカードにおける書面交付義務

 

これらの場面が書面交付義務の代表的な場面ですが、その他にも書面交付義務が課されている場面があるため、契約ごとに書面交付義務の有無を確認しておくことが大切です。

ここからは、書面交付義務が課されている具体的な場面について、詳しく説明します。

 

〇電気通信事業法

電気通信事業法では、電気通信サービスを利用することが決定した時点で、電気通信事業者やその代理店は、サービス利用者に対して書面で契約内容を交付しなければならないとされています。

ただし、法人契約やプリペイド契約のような都度契約といった場合には、必ずしも書面交付義務が適用されません。そのため、サービス利用者やサービス提供方法による違いについても、法律に基づいた交付方法を選択できるようになっておく必要があります。

 

〇下請法

下請法では、親事業者が請負業者に対して仕事を発注する際、契約内容や納品方法、商品の代金といった事項などについて、書面交付義務が課されています。

とはいえ、条文の中には電磁的方法で契約内容を交付することが認められているため、書面交付が原則ですが、契約者の状況に応じて電子媒体を利用することが認められているのです。

 

〇特商法

特定商取引法でも、消費者保護の観点からクーリングオフに加えて、書面交付義務が定められています。

特に、訪問販売といった不意打ち的かつ攻撃的な方法で契約を迫られる可能性が高い販売手法では、契約内容を理解しきれないまま手続きが進んでしまうケースもあるのです。

このような事態から消費者を守るためにも、業種によっては書面交付義務が課せられているため、あらかじめ書面交付等必要な事業なのかどうかを確認しておくことが大切になります。

 

〇クレジットカードにおける書面交付義務

クレジットカードにおいても、消費者が金融取引において契約内容を理解した上でサービスを利用してもらうためにも、書面交付義務が課されています。

ただし、クレジットカードの加盟店においては、必ずしも書面での情報提供をする必要はなく、必要に応じて電磁的方法での情報提供が認められているのです。

 

書面交付義務の注意点

書面交付義務を理解した上で、スムーズに契約手続きを進めていくためには、書面交付義務の注意点について理解しておくことが大切です。

ここからは、書面交付義務の注意点について、詳しく説明します。

 

契約解除のリスクがある

書面交付義務を理解できていなければ、そもそも契約が有効にならない可能性がありますし、契約を履行している最中に解除されてしまうリスクがあります。

電磁的方法での情報提供が有効だと思い込んで手続きを進めていると、実際は書面交付義務化されていたというケースもあるため、事前に書面交付の必要性のある事業や契約内容になっていないかを確認しておくことが大切です。

 

書面交付義務についてよく理解して契約しよう

本記事では、書面交付義務の概要や、書面交付義務が課されている場面、書面交付義務の注意点について説明しました。

 

法令を遵守して契約手続きを進めていくためには、事前に書面交付義務について理解しておき、事業内容や契約内容が書面交付義務に該当するかを知っておくことが大切です。

ここで説明した内容を参考にして、あなたの事業に適した情報提供方法を選べるようになってくださいね。

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