120年ぶりの民法改正!身近な売買契約にはどんな影響がある?

カテゴリ:契約

120年ぶりの民法改正!身近な売買契約にはどんな影響がある?

民法改正があり、2020年4月1日から変更後の民法が適用されるようになりました。

それでは旧民法からどのように変更されたのでしょうか?またそれに関連して確認しなおさなければいけないことはあるのかなど、今回は特に身近だと思われる売買契約に影響するポイントについて確認してきます。

 

民法改正とは?その影響は身近なところにも

「民法」とはその字のごとく「民のための法律」で、法律の中でももっとも市民の生活に関係する身近なものが民法です。民法に関連する内容は品物を売買するときやお金を貸したときなど多岐にわたっています。

しかし民法については長い間法律の見直しがない状態のままで、現代の生活や考え方などに合わない部分もありました。それでは身近な契約である売買契約についてはどのような変更点があったのでしょうか。

 

120年ぶりに改正された民法

民法を見直していこうとして、2017年5月に「民法の一部を改正する法律」が成立しました。この法律にのっとって、2020年4月1日から改正された民法が適用されています。

2020年4月1日に改正されるまで、民法は実に120年もの間同じ内容を使い続けていました。120年前に現在の生活を見通せていたはずもないため、今の世の中に合わない部分については拡大解釈をしたりして現在にあわせた判例などを判断基準としていたのです。

 

売買契約でも大きな変更点が

この民法改正によって、身近な契約である売買契約でも大きく変更しなくてはいけない部分がありました。売買契約に関係する中でもっとも注目を集めていたのは「契約不適合責任」についてです。

 

瑕疵担保責任がなくなり契約不適合責任に

元々、民法では売買契約した際に後から購入したものについて不備が分かった場合には、「瑕疵(かし)担保責任」が適用されていました。「瑕疵」とはキズなどのことです。

瑕疵担保責任が適用されるかどうかの明確な基準が民法にはなく、裁判官の考え方次第で判断が異なってしまうことが問題になっていました。

 

新しくできた「契約不適合責任」は、契約の内容に適合しないものについて売主の責任を追及できるというものです。購入したものに不備があった場合、契約書にその内容が記載されているかどうかが大きな争点になります。そのため契約をする際にはどんな内容を書くのか(書いてあるのか)をよく確認しましょう。

 

〇旧民法の瑕疵について書かれた契約書が多い

売買契約書を作る際にはテンプレートを用意して、それをもとにそれぞれの契約内容に沿った契約書を作っているところが多いでしょう。そのテンプレート自体が旧民法を元に作られているはずなので、改正民法には合っていない可能性が高いです。

 

特に「瑕疵」という言葉が載っているものが多くあります。「瑕疵」は改正民法では使われなくなった言葉です。そのまま使っても法律上悪いわけではありませんが、何かあったときに判断しにくくなってしまうかもしれません。不利益になる可能性もあるため、この機会に契約書を見直しておいた方が良いでしょう。

 

売買契約では買主側の救済措置が増加

改正民法は、売買契約において以前よりも買主側へのアフターケアが良くなっている印象です。以前の民法よりも売主の責任を追及しやすくなり、何かあった場合にも買主を救済する措置が増えました。

買主を救済する措置がどのように変わったのか、確認していきましょう。

 

旧民法では解除・損害賠償請求のみ

例えば不動産売買で購入後に不具合が分かった場合には旧民法では「契約を解除するのか」と「その分の損害賠償を請求するか」の2つのみしか選択肢がありませんでした。

 

民法改正で代金減額請求や追完請求も可能に

今回民法を改正したことで、そのほかにも「代金減額請求」や「追完請求」についても請求できるようになりました。「損害賠償」と「契約解除」も救済措置として選択肢に残っています。

 

「追完請求」とは購入したものにキズなどがあったときに直してもらったり、購入した数より少なかったときに残りの分を追加で貰ったりできる請求権です。また「代金減額請求」では追完請求しても応じてもらえなかったり直すことができなかったりした場合に代金を減額するように請求できます。

「売主に過失があった場合」には損害賠償が選べ、「売主に過失がなかったが契約の内容が達成できない場合」にはそれ以外が対象となります。

 

任意規定なので契約書の効力の方が上

なお、これらの内容は「任意規定」です。契約書の効力の方が上になるため、この民法改正で変更された救済措置をとろうとしても契約書に異なった内容が書かれていれば救済措置の対象にはなりません。

 

民法改正に合わせ契約書を精査しよう!

このように売買契約においては買主側の救済措置が増加しており、売主側がしっかりと保証するようにといった内容が定められています。売主側の責任を追及するかどうかは「不備がある点については買主にしっかりと伝えているか、契約書にも書いてあるか」などが重要です。

また、あくまで任意規定なので契約書の内容の方が重視されるということで、より契約書に書かれている内容が大事になりました。民法改正やそれによる契約書テンプレートの変更など、よく確認しておきましょう。

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