秘密保持契約書の有効期間の決め方や注意すべきポイント

カテゴリ:契約

秘密保持契約書の有効期間の決め方や注意すべきポイント

ビジネスの中で、他社と情報を共有して仕事を進めていく際に、秘密保持契約書を交わすことあります。しかし、その意義を理解せずに締結してしまうと、問題が発生したときに自社が不利益を被る可能性があります。特に、秘密情報を伝える側と受ける側とでは、有効期間に対する考え方も異なってきます。

今回は、秘密保持契約書の有効期間の決め方や運用する上で知っておくべきポイントを紹介します。

 

秘密保持契約書の有効期間の決め方を紹介

秘密保持契約書を締結するうえで、有効期間はどのようなことを基準にして定めていけばいいのか、紹介します。

 

有効期間を定める理由とは?

秘密保持契約書は、企業の重要なさまざまな情報を他社や個人に開示する際に、開示を受けた側がその秘密情報を第三者に漏らさないということを約束した契約書になります。例えば、自社の業務の一部を外注する場合や、システムの開発を依頼する場合など、ビジネス上、自社の秘密情報を他社に開示しなければいけない場合に、秘密保持契約書を締結することになります。

その際には、秘密保持契約書に有効期間を定めるのが一般的です。有効期間を正しく明記していないと、永遠に守らないといけなくなる可能性も出てくるので、開示する情報の陳腐化を想定し有効期間を定めるといいでしょう。

 

有効期間の定め方で考慮する2つのポイント

秘密保持契約書の有効期間を決める際には、どのようなことに注意をして決定していけばいいのでしょうか。

 

1.情報の性質により異なる

有効期間を決める際には、その秘密情報が、どのような価値があり、どの程度の期間、価値を維持し続けるのかによって判断していくべきでしょう。一般的な目安として情報技術系の場合、短期で陳腐化されるであろう情報は、1年から3年程度の間で締結し、顧客情報などの重要性の高い情報は、5年ほどの有効期間で締結することが多いです。

しかし、秘密情報を開示した時点では、予想できなかった情報を開示する可能性も含まれます。秘密情報の重要性、保持する期間、維持費などを、契約する当事者同士で十分に検討することが重要です。

 

2.開示する側と受領する側の考え方の違い

秘密情報を伝える側と、受ける側では、有効期間に対する考え方は自然と相違が生まれます。

情報を開示する側からすると、秘密情報の漏洩や流出を防止するためにも、限りなく長期間の有効期間を設定したいと考えるでしょう。したがって、情報を受領する側に対して、秘密情報を長期間にわたり保持させるような内容を契約書に盛り込む傾向が見受けられます。

一方で、情報を受領する側からすれば、できる限り短期間で終了したいと考えるでしょう。その理由としては、秘密情報の保持を管理するには、手間は費用もかかるので、有効期間が長ければ負担になりがちです。さらに、もし情報が漏洩、流出してしまった場合には、損害賠償請求をされる可能性もあります。したがって、情報を伝える側に対して、なるべく短い期間で交渉するのは自然な流れです。

 

有効期間を決める際に注意すべきポイントを解説

有効期間を当事者同士で検討する際の、注意すべきポイントを紹介します。

 

秘密保持契約書の有効期間が永久になる場合とは?

有効期間に関しては、特に法律上のルールは定められていません。そのため、情報を開示する側からすると、永久に保持させたいと考えるでしょう。しかし、現実的には情報は時間が経つにつれて価値も下がり、陳腐化する傾向にあります。そのようなことを踏まえて考えると、秘密情報を永久に保持させるのは、現実的ではありません。情報を開示された側からすれば、保持する管理費用や負担が大きすぎます。

一般的に、継続的な取引がある場合は、有効期間を1年とし、その後、当事者同士で問題なければ1年単位の自動更新とする内容を盛り込んでいる場合が多く見受けられます。

 

秘密保持契約書の有効期間の自動更新の注意点

有効期間の自動更新をする際に注意すべきポイントを紹介します。

 

■有効期間を短縮する規定は削除が望ましい

秘密保持契約書は、一度締結されるとその内容を最後まで全うするのが一般的です。しかし、秘密保持契約書の中には、事業規模や社会情勢の変化などで、ビジネス環境が大きく変わった際に、契約の有効期間前でも意思表示により契約を終了できる中途解約の条項を盛り込んでいる場合があります。そのような場合は、いくら慎重に協議して、有効期間の記載や自動更新の文言を入れていても、効果を発揮できません。

有効期間は、秘密情報を確実に保持する期間として大変重要な項目ですので、有効期間を短縮しかねない条項も同時に盛り込んでいる場合は、文言をなくすことも併せて検討すべきでしょう。

 

秘密保持契約書の有効期間の決め方を正しく理解する

秘密保持契約書の有効期間は、情報の漏洩や流出を防止するためにも熟慮する必要があります。情報の価値、重要性、陳腐化することを想定しながら、契約当事者双方が慎重に検討して決めるべき事柄です。

また、近年ではコスト削減や業務効率化に効果的な電子契約の方法で締結されることも多くなりつつあります。秘密保持契約書の有効期間を定める意味や契約方法などの理解を深め、運用していくことが重要です。

カテゴリー

  • 電子契約書

  • 契約書

  • 契約

  • 収入印紙

  • クラウド

  • PAGE TOP

    「契約」関連記事一覧