定型約款のルールとは?民法改正についても解説

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定型約款のルールとは?民法改正についても解説

民法改正が2017年に行われ、新たに定型約款が設置されました。

その定型約款について、民法内でいくつかのルールが同時に定められましたが、どのようなルールなのかについてはよく分からないという方も多いのではないでしょうか。

今回は定型約款のルールや、民法改正の内容について解説いたします。

 

約款とは

約款は利用規約とも呼ばれ、事業者と不特定多数のユーザーとの間で一律に適用される契約条件のことを指します。

大量のユーザーを相手にする場合など、事業者とユーザーが事前に契約内容を一つひとつ検討し交渉を重ねることが現実的に考えにくい契約が存在します。そのような取引の場合に、あらかじめ約款の条項を定めておくことで約款がそのまま契約の内容となり、双方の当事者にとって合理的な取引ができるようになります。

 

民法改正が行われた

契約は大量のユーザーが対象となるため、定型的な約款を作成し利用することの必要性や、個別にユーザーの同意を経て約款の内容を変更するのは現実的ではないという企業側の意見は否定できません。

しかしこれまでの約款には、個別の条項について合意したわけではないにもかかわらず拘束される理由が不明確である点や、ユーザーにとって一方的に不利といえる内容が散見された点、また、事業者が理由を明確にしないまま一方的に約款内容を変更できるとの条項も散見されていた点など、いくつかの問題点を抱えていました。

そのような問題点を解決するべく、民法改正が2017年に120年ぶりに行われました。

 

定型約款とは

定型約款とはなんでしょうか?定型約款についてご説明いたします。

 

不特定多数

定型約款はサービスを提供する事業者が、不特定多数のユーザーに対して行う取引である必要があります。

ここでいう不特定多数のユーザーに対して行う取引とは、利用者の個性に着目せずに行う取引を指します。

具体的な例を挙げると、銀行の預金規定や旅客運送約款、ソフトウェアライセンス規約、インターネット利用約款などが該当します。

事業者間の取引は不特定多数のユーザーに該当しにくいため、当てはまらないケースがあります。

 

定型取引

定型取引は不特定多数のユーザーに対して全員に同じ内容の契約をすることが通常であり、ユーザーが事業者に対して交渉を行わずに契約条項をそのまま受け入れて契約が成立する形が合理的である場合の取引を指します。

なお、大企業と中小企業の企業間取引の際、交渉力の差により取引内容が画一的になっている場合などはこの要件には当てはまりません。

 

一方性

ここでの一方性とは、約款が事業者によって一方的に準備されたものであることを指します。

通常の契約であれば、契約する当事者双方の合意があって初めて契約が成立します。

しかし、定型約款は事業者が一方的にその内容の条項を提示し、それにユーザーが同意することで契約が成立します。

そのため、事業者とユーザー間で取引する際に、契約内容について交渉が行われる場合は定型約款に該当しません。

 

定型約款のルール

最後に、定型約款のルールについてご説明いたします。

 

約款を明確に表示する

定型約款のルールとして、約款が契約の内容になる旨を明確に表示する必要があります。

民法改正前は約款が契約書の代わりに相手方を拘束することが認められている根拠を明確に示した法律などはありませんでした。そこで、民法改正により

 

①ユーザーと事業者の間で約款を契約の内容とする旨の合意があった場合

②事業者が約款を契約の内容とする旨をあらかじめ相手方に表示していた場合

 

のいずれかを満たしていた場合には、みなし合意として約款すべてに合意したものとされ、法的な拘束力が発生するようになりました。そのため、事業者は約款が契約の内容になる旨を明確に表示する必要があるのです。

 

不利益条項を含まない

民法改正により、相手方の利益を一方的に害する内容の条項、つまり不利益条項がある約款は認められないことになりました。

そのため、上記のような“みなし合意”が認められた場合にも、不利益条項が含まれていた場合は拘束力が発生しないため、注意が必要です。

 

変更するには手続きがいる

定型約款を変更する場合は

 

①変更がユーザーの利益になる場合

②契約目的に反せず、必要性や相当性が認められ、約款に変更の可能性がある旨が明記されている場合

 

のいずれかを満たしている必要があります。これらの要件を満たしている場合、ユーザーの同意がない場合でも約款を変更できます。また、変更する場合は以下のような手続きをする必要があります。

 

①変更後の約款の効力が発生する時期を定める

②変更後の約款の内容、および効力発生時期をインターネットまたはその他の適切な方法により周知する

 

まとめ

民法改正によって新設された定型約款にはいくつかのルールがあります。

定型約款に該当する約款を契約にて扱う場合は、ルールの内容に関してしっかりと理解をしておく必要があります。ルールに違反していた場合、約款が機能しなくなってしまうため注意が必要です。

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